ぺたぺたぺたぺた…ぺた。

廊下を歩く足音が止まった。足音の主はきょろきょろと辺りを見回して、やがて大きなため息をついた。


(迷った)


雷電の民クラウンである。今日は王宮で親睦会を兼ねた食事会が催されると言われ王宮にやって来たのだ。着いたのがまだかなり食事会には早い時刻だったので、暇つぶしに王宮内を探検していた。のだが、


「ここはどこやね〜ん!」

ただ今絶賛迷子中である。


とは言えクラウンは基本的に楽天家である。歩いとったらどっかには着くやろと、再び歩き出した。幸い廊下には窓がある。いざとなったらそこから脱出すればいい。