「だったら早く本人に教えてあげた方が
いいんじゃ」
立ち上がった私に
「それは俺達が教える事ではない」
副会長が立ち上がって窓の景色を見つめる。
「でもこれじゃあ無駄ですよ」
「本人が気付かなければ意味がないだろう?」
「でも!」
「それを教えてどうするんだ?彼は本当にそれが大事か
分かるのか?」
「本人が気付くまで黙ってるってことですか?」
「そうだ、必ずしも100あるうちの全部を教えてあげる
必要はない。子供じゃないんだ。自分で気付き対処する事も
大事なことだろ」
いつも思うけれど
この人の言葉は重い。
でもそれは本人をみんなを想ってるからこその
言葉なんだろうなって。
この人なりの優しさなんだろうなって思う。
「早く彼が気付くといいね」
ポンっと私の頭を撫でながら
柴田書記が笑顔で言った。


