王国ファンタジア【宝玉の民】‐ドラゴン討伐編‐




通常とは響きの違う音で、パンパスの声が話しかけてくる。

『あまり時間が無いので、詳しいことは終わってからご説明します。
中の状況はピューマを通じて見ていました。ベリルさん曰くあの機械は魔石の魔力を取り込むための回路の役割をするもののようです。
おそらくドラゴンは魔力を増強して、身体的能力の向上をしているのではないか…と。
核石の力を使うときはあの機械を中心に、とのことでした。』

「…わかった。今から始めるから、できるだけ離れていてくれ」

ドルメックが答えると、気遣わしげな音が返ってくる。

『中の様子が窺えるギリギリの所で待機してます。くれぐれも気を付けてください』

(なるべくは、気を付けるつもりだけどな…)

これには返事ができなかったが、最善は尽くすつもりでいた。
心配をしてくれる奴等ができてしまったから…。

気持ちを切り替えて、核石の解放の為に意識を集中する。
右目がチリチリと痛み出すのがわかる。
体温が上昇し、鼓動が速くなっていく。
ドルメックは無意識に、両親の核石のペンダントに触れていた。

(……大丈夫、――…大丈夫だ。落ち着け、もっと集中しろ…)

暴走しそうになる宝玉の民の魔力を必死に制御しようと試みる。
乱れる呼吸を抑え、深呼吸繰り返す。

紅く染まる視界の先…
―――歪に埋め込まれた機械目掛け、ドルメックは力を解放した――――