ヴァラオムの背に乗り込んだグレードの視線は、説明を乞うようにベリルを射抜く。
その視線を真っ直ぐ受け止め、恐ろしいほど簡潔に告げる。
「つまりは、外側が駄目なら内側から…。ということだそうだ」
「ドルメックさん自身が、考えた作戦ですよね?
なんで止めなかったんですかっ?!」
「言って止まるような男だと思うかね?
何より、他に有効な手がない中での提案だ。
否定する要素など何処にもない」
冷静な口調で説明を終える。
不意に、パンパスが口を開いた。
「あまり離れすぎないで下さい。
風のピューマとの精神共有が維持できなくなってしまう」
静かに語る少年の漆黒の筈の瞳は、若草色に輝いていた。
隣にいたグレードは驚きながらも問い掛ける。
「精神共有…ですか?
今君の瞳の色が変わってることと関係があるんですか?」
「…はい。ドルメックさんと共にいる風のピューマの目を通して、動きを把握し遠隔操作で防風陣を維持しています。
精神共有すると、瞳の色がピューマの瞳の色と同色になるんです」
真っ直ぐ、ドラゴンの方向を見つめたままパンパスが答える。
それを聞き付けたベリルが、パンパスに問う。
「ふむ…。ドルメックが現在、どのような状況か伝えてもらうことは可能かね?」
「はい。大丈夫です」
精神共有の為か言葉少なではあるが、パンパスはゆっくりと自らの瞳の先の光景を紡ぐ。

