その足で隣の部屋へ移動し、靴を換えて着替える。
動きやすいお気に入りの――戦闘に特化した服――服に着替え、腰回りに取り付けたホルスターに、ナイフ、短剣、拳銃、道具ポーチ、と装備する。
台に残った、小さな青い石が埋め込まれただけのシンプルな銀の指輪を、大事そうに右中指にはめる。
最後に、鮮やかな鴉(からす)のような、濡羽色(ぬればいろ)の真っ黒い長いコートを、装備を隠すように上から羽織り、ボタンを閉めた。
ハーヴェイは慣れた足で、いつものように十階の自室からエレベータに乗って下階へ下りる。
倉庫や研究室として使っている九階。
親しい人あるいは気に入った人のみにしか貸さないと我儘ながらに決めている、広く豪華な客室のある八階。
メインダイニングや大浴場など、複数の生活スペースがある七階。
二階分を潰して作ったジムと訓練場のある五、六階。
知り合いや仕事柄生じる状況によってあてがうための客室、あるいは貸し部屋としても用意した――いまだに誰にも貸してはいないが――のある三、四階の二フロア。
そして術式事務所として応接室や事務所を構えている――請負屋、何でも屋、決まった方向はない、可能とあらばどんな仕事でもこなす――仕事場のある二階。
自分の“家”全てのフロアをゆっくりと下りてたどり着き、そこで終りのエレベータから降りる。
動きやすいお気に入りの――戦闘に特化した服――服に着替え、腰回りに取り付けたホルスターに、ナイフ、短剣、拳銃、道具ポーチ、と装備する。
台に残った、小さな青い石が埋め込まれただけのシンプルな銀の指輪を、大事そうに右中指にはめる。
最後に、鮮やかな鴉(からす)のような、濡羽色(ぬればいろ)の真っ黒い長いコートを、装備を隠すように上から羽織り、ボタンを閉めた。
ハーヴェイは慣れた足で、いつものように十階の自室からエレベータに乗って下階へ下りる。
倉庫や研究室として使っている九階。
親しい人あるいは気に入った人のみにしか貸さないと我儘ながらに決めている、広く豪華な客室のある八階。
メインダイニングや大浴場など、複数の生活スペースがある七階。
二階分を潰して作ったジムと訓練場のある五、六階。
知り合いや仕事柄生じる状況によってあてがうための客室、あるいは貸し部屋としても用意した――いまだに誰にも貸してはいないが――のある三、四階の二フロア。
そして術式事務所として応接室や事務所を構えている――請負屋、何でも屋、決まった方向はない、可能とあらばどんな仕事でもこなす――仕事場のある二階。
自分の“家”全てのフロアをゆっくりと下りてたどり着き、そこで終りのエレベータから降りる。
