君ヲ想う。

優くんはそう言って、前を向いた。
もうさっそく問題解いてるし・・・
やることが早い!!
そういえば・・・優くんって頭偉いんだっけ??
イケメンだし、お金持ちだし、勉強もできる。
それに中学のときは野球部だったらしくて、
すごく上手かったらしい・・・。
高校では入るのかな??
なんでも出来るんだね。
でも・・・一つだけ、恋愛はダメ・・・か。
あたしに出来るかな・・?




「じゃ、これから自己紹介をします。」
先生がそう言うと、みんなは一斉にガヤガヤと騒いだ。

どうしよう・・・あたし人の前にたつとか
そういうの苦手なんだよな・・・。
そんな時に、
「じゃあ・・・みなさん。机をくっつけてください。」
あれ??なんでだろう??
って、あたしの前・・・優くんじゃん!!



「最近よく喋るね。」
なんて笑いながら優くんはあたしに話しかけた。
あたしもそう思うよ、優くん。

「じゃあ、この列の人が動いてね。1分間その前の席の人と
自己紹介してください。」
先生はそう言って、教卓でみんなを見ていた。
ナイス!!先生!!


ただ・・・あたしの1番目の人が優くんだからな・・・。
そうしてスタートした。
「何話そうかな・・・。
じゃあ、名前知ってるからくんじゃなくて呼び捨てでいいよ。」
なんていわれた。
呼び捨て・・?
急に呼び捨てでいいの??
「じゃあ・・・あたしも呼び捨てでいいよ。」
そんな会話から始まった。
あたしから喋れないから優くんがいっぱい質問して
お互いのことを話した。
最初は話しにくいと思ってはいたけど・・・
話しやすくて楽しかった。
そんな幸せな時間があっという間に終わった。
「また後でね。」



それからあたしは優くんと喋れないから、他の人よりも
優くんの事しか考えてなかった。
他の女とも、あたしと同じように楽しそうに喋ってる。
それが無償に嫌だった。