すると、突然にも菜月は抱きついてきた。


「どうしたの??」
聞くと・・・
「あのね・・・あたし・・・
友達いたのはいたけど、
さんづけばっかりだったの。
もちろん、呼び捨てでいいよって言ったけど・・・
1回は言ってくれたけど、それでまた、さんづけされて・・・。」
あたしはその菜月の頭を撫でてあげた。
そんなことがあったなんて思わなかった。
ごめんね、菜月・・・。
でも、こんなあたしが菜月に喜んでもらえて本当に良かったって
思ってるんだよ。




そんな風に二人で抱き合っていると、
横から笑い声が聞こえてきた。
「何してるんだよ!」
その声は紛れもなく優くんだった。


「いいじゃん!!一つの絆だよ!!」
菜月は優くんに対して怒った。
「ま、良かったじゃん。
亜衣ちゃんに感謝しろよな、菜月。」
優くんは笑っていった。
今・・・菜月って呼び捨てしてなかった??
だってさっき・・・


「あのね、優はいいやつだから呼び捨てしたんだけど、
いいやつと思ったらダメなやつだから!!
見た目に惑わされるなよ!」
菜月は笑って肩をポンッと叩いた。


「うるせーよ!!
見た目って・・・そんないい顔してねーよ!」

優くんは照れた顔で言った。
あっ、そうだ!!メアド聞かなきゃ!!

「優くん!!」
呼ぶと、優しい顔であたしの方をみた。だけど・・
教室だし、きっとみんなから好きなんじゃないかと
聞いてきたり噂になりそうだからやめとこう。
そう思った。
「あっ、ごめん。忘れちゃった・・・。」
「そっか。また思い出したら言ってな!」
「うん・・・。」