ドラゴン討伐の戦士たちがほとんどが揃い、広場も賑やかになる。
それを見計らったかのように糧食や装備等の配給が始まる。
もちろん、グレードたちが配属された後方支援隊の仕事でもある。
「サレンスさん」
声に振り向けば、癒しの民の青年と言うには年若い少年の黄白色の瞳。
重たげなバックを肩から下げた彼の背後には、荷車が影となってわだかまって見える。
「ああ持ってきてくれたのか」
「はい、取り扱いには注意してください。皮膚につくと火傷しますし、眼に入ると失明の恐れもあります」
「わかった」
「ご苦労はん」
サレンスはあっさりと頷き、クラウンはグレードを労っただけだが、森の民の二人は怪訝な顔をした。
「ずいぶん物騒な話だけど、何なんだ?」
アウルが荷物を指差して問う。
「王水です」
グレードの答えにアウルはますます首を傾げる。
「王水?」
「強力な酸です」
「ま、ドラゴン退治の秘密兵器というところだな」
癒しの民の少年の言葉を引き取ってサレンスがどこか悪戯っぽく答える。
しかし、
「秘密兵器?」
森の民の二人はともに納得には程遠い顔をする。
「詳しいことは後で説明する、それよりもこのままだとやはり持ち運びには危険だろう」
「そうですね。硝子瓶ですし」
「凍らせておこう」
あっさりとサレンスは言い放った。
それを見計らったかのように糧食や装備等の配給が始まる。
もちろん、グレードたちが配属された後方支援隊の仕事でもある。
「サレンスさん」
声に振り向けば、癒しの民の青年と言うには年若い少年の黄白色の瞳。
重たげなバックを肩から下げた彼の背後には、荷車が影となってわだかまって見える。
「ああ持ってきてくれたのか」
「はい、取り扱いには注意してください。皮膚につくと火傷しますし、眼に入ると失明の恐れもあります」
「わかった」
「ご苦労はん」
サレンスはあっさりと頷き、クラウンはグレードを労っただけだが、森の民の二人は怪訝な顔をした。
「ずいぶん物騒な話だけど、何なんだ?」
アウルが荷物を指差して問う。
「王水です」
グレードの答えにアウルはますます首を傾げる。
「王水?」
「強力な酸です」
「ま、ドラゴン退治の秘密兵器というところだな」
癒しの民の少年の言葉を引き取ってサレンスがどこか悪戯っぽく答える。
しかし、
「秘密兵器?」
森の民の二人はともに納得には程遠い顔をする。
「詳しいことは後で説明する、それよりもこのままだとやはり持ち運びには危険だろう」
「そうですね。硝子瓶ですし」
「凍らせておこう」
あっさりとサレンスは言い放った。

