深想シンドローム



『とにかく、ミーコちゃんたちは引き続き署名集めて!』



西くんにそう言われ、今日で早3日。

明日はついに体育祭当日だ。


なのに肝心の西くんはそれから全然学校へ顔を見せなかった。


でも、何もしない訳にもいかないのであたしたちは署名集めを続けて。


「…結局、これだけかぁ。」

「すんごい頑張ったのにねぇ。」


放課後、集計した結果は苦いモノだった。


「…96人。」


朝も放課後も
もちろん遊びも、全てを返上した成果がこれじゃ、あまりに辛い。


みんなの顔に、疲労が滲んでる。



「んもぉ、西くんはどうしたのよー!」

と、ついにヒナちゃんがキレた。


「本当だよね~。」

「言ってたアテがダメだったから、顔見せずらいんじゃない?」


心なしか、みんなの言葉に棘があって。

あたしは何も返す言葉が見つからなかった。



そして、最後まで重たい空気が拭えないまま

あたしたちはそれぞれ別れ。



迎えた朝は、あたしたちの気持ちとは裏腹に

絶好の体育祭日和。



晴天だった。