4人みんなが言葉を失う。

笑い声の溢れる教室で
ここだけが切り離されたように、重い空気が流れてた。

その時、突然思い立ったように明日香ちゃんが立ち上がる。


ヒナちゃんとちづちゃん、そしてあたしの視線が一斉に明日香ちゃんへ向けられて。


「明日香、どうし…、」

「何とかしよう、あたしたちで!」


沈んだ空気を取り払うように、明日香ちゃんはそう言った。



「え…?」

と、他の3人が戸惑いの表情を浮かべる。


当たり前だ。

何とかするって言ったって、どうしようもないのは目に見えてる。

すでに先生には断られてしまったんだから。



でも、明日香ちゃんは迷いのない声で言う。


「ダメで元々じゃない。」

それなら、他の方法を探せばいい、と。



「他の方法って、どうするのよぉ?」

「だから、それを今から考えるんじゃん!」

「ええ~?何かある~?」


うーん、とみんなで首を捻っていると

「あ、」

と、おもむろにちづちゃんが呟いた。



「何!?もしかして千鶴、何かいいこと思いついた!?」

「うん。てゆーか、これしかないと思う。」

「何!?」


みんなからのキラキラとした視線を浴びながら、ちづちゃんは自信あり気に人差し指を突き出す。




「署名だよ!」