深想シンドローム



ああ…。

あたし、本当何してるんだろ。



「なるほどねー。」


ぐんと近付いた空がキラキラと眩しくて、あたしは目を細める。

豆粒ほどに小さくなったグラウンドの生徒たちを見下ろし、西くんは言った。


「だから泣いてたんだ。」

「……。」

「エース、怒ると怖ぇもんな~。」


はは、と笑う西くんは柵に寄り掛かり、あたしに目配せする。





…あの後。


「その顔じゃ、教室には戻れないでしょ。」

と西くんに連れて来られたのは、何故か空が近い屋上で。



入学して約3ヶ月。

今回で、すでに2回も授業サボり。


とりあえず明日香ちゃんにメールしたら

『先生には上手く言っておくよ!』

なんて、心優しい返事が返ってきた。


どうせ後で根掘り葉掘り聞いてくるんだろうけど…。

今は、明日香ちゃんの優しさに感謝したい。



ぐすっと鼻を鳴らし、あたしは溜め息をつく。



さっきのミチルくんとの出来事を思い出すだけで

自己嫌悪で今にも押し潰されそうだ。