深想シンドローム



「―――え?」

と、見事に他の3人の声が重なった。

ついでに3人とも、同じ顔でちづちゃんへ視線を向ける。


体育祭が、留年の理由…?



「どーゆうこと?」

耐え切れなくなって訊いたのは、やっぱりヒナちゃんだった。


「あたしも詳しくはわかんないけど、そうゆう噂なかった?」

「えー、そうだっけ?」

「ヒナも初耳っ!」

「まぁ、あくまで噂だからね。」


本当のところはわからないよ、とちづちゃん。


そして最後まであーだこーだ言いながら

真相は曖昧なまま、ファミレスをあとにしたあたしたち。


結局、パフェは半分くらい残してしまった。





「ただいまぁ。」

「あ、深子おかえり。ご飯もうすぐ出来るわよ。」

「はーい。」


30分後。

自宅に帰ったあたしは
さっきパフェを食べたくせに、ちゃっかり夜ご飯も食べた。


でも、ご飯中もお風呂の時もずっと考えてしまう。


ミチルくんが留年になっちゃった理由――。


一体、何があったんだろうか。

一年前に、ミチルくんは何をしたの?



そんなことばかり考えていたら、あっという間に夜は更けて。


そして、迎えた次の日。