自分でも、何でこんなに熱くなってるのかわからない。
けど言わずにはいられなかった。
もしかしたら
悲しそうな声を
寂しそうな背中を、これ以上見てられなかったのかもしれない。
だからあたしが、少しでも力になれたらいいと思ったんだ。
シーンと静まり返った裏庭に、あたしの荒い鼻息が響く。
ミチルくんはそんなあたしを目を丸くして見上げていた。
呼吸が落ち着いてきたところで、ハッと我に返る。
あ、あれれ?
あたし、何でこんなこと…。
すると突然
「…ぶっ!」
と吹き出すような声が聞こえて、あたしはミチルくんへ再び視線を落とした。
「ぶははははっ!」
「あ、あの~…、」
戸惑うあたしとは反対に、何故かミチルくんは大爆笑。
お腹を抱え、芝生の上で転げ笑っている。
な、何よっ!
そんなに笑わなくたって…っ!
今更ながら自分の言ったことに後悔していると、ひとしきり笑ったミチルくんがあたしを見て言った。
「おもしれーヤツ。」
しかも、極上のスマイル付きで。

