深想シンドローム



こうして二人で話しているうちに、親近感みたいなモノが湧いて来て。

あたしは、ほぼ好奇心だけで訊ねてみることにした。



「あの…、」

ゴクリ、と喉が鳴る。



「じょ、女性恐怖症、って…本当、…ですか?」


唐突な質問に、背を向けたミチルくんが少しだけ反応を見せた。

そして一呼吸置き
「あぁ」と、短く答えてくれる。


返事が返ってきたのをいいことに、あたしはまた違う質問を投げつけてみた。


「それは…お姉さんが、原因なんですか?」


そこで、ミチルくんがクルッと振り返る。

また怒鳴られる!
と思い、ぐっと身構えるとミチルくんは眉を寄せ、逆に訊き返してきた。



「西に聞いたのか?」

「…え?あ、は、はい…。」

「アイツ…、」


あ、あれ?
何かマズかったかな…。



だけどもう諦めてるのか、それとも面倒くさいのか。

どちらなのかはわからないけれど、意外なことにミチルくんは答えてくれたのだ。



「確かに、お前が西に聞いた通りだ。」

「じゃあ…、」

「あぁ、原因は姉貴。」



そ、そうなんだ…。