…って。

ちょっと待ったぁあっ!!!




「みぃこっ!あんた昨日、B組の西くんと帰ってたって本当なの!?」


―――次の日。


全然眠れなくて、目の下にクマを引き連れて登校すると、物凄い形相のヒナちゃんが飛び掛かって来た。


「まさか!みぃこが男と帰るなんてー。」

ありえないでしょ、と明日香ちゃん。


「そうだよ~。みぃこに男の子と帰る理由なんてないじゃない。」

なんて、若干失礼な発言で場を締めるちづちゃん。



「あ、あのね!その、なんだけど…っ!」


そこでハッと口を塞ぐ。


『そんなヤツ等に、エースのヒミツがバレたらどーなると思う?』


脳裏に刻まれた、西くんの言葉。



…ダメだ。
ここで話しちゃったら、殺されるっ!

で、でも!
みんなにヒミツにしてるなんて、そんなの無理だよぉおお!


ゴクリ、と生唾を呑み込み
みんなを呼び寄せる。

緊迫した様子に、みんなも何事かと肩を寄せ合い、あたしを囲んだ。


「じ、実はね…。」

「うん。」


3人があたしの口元に集中する。

息を呑むような緊張感の中、あたしは決意を固めて。


せめてミチルくんに会ったことだけでも、と思った矢先のことだった。