深想シンドローム



お昼休みも終わり、体育祭は引き続き滞りなく行われた。

真っ青な空に
どこか夏を感じさせる風。


これは余談だけれど、隣のヒナちゃんは3年生の先輩に声援を送ってる。

かっこいい!だとか、彼女居るのかなー、なんて呟きながら目は完全にハートマーク。


…気が多いとでも言いましょうか。


そんなヒナちゃんに、ちづちゃんは呆れ顔。



一方、あたしはしきりに辺りを見渡していた。

そわそわ、きょろきょろ。


挙動不審、とはまさにあたしのことを指すんだろう。


でも願いも空しく
探してる人の姿は見当たらない。


そんなあたしに明日香ちゃんは

「みぃこ、次クラス対抗リレーだよ。」

と、肩を叩いて立ち上がった。


「えっ!?う、嘘っ!」

慌てて振り返ると、すでに明日香ちゃんは列を抜けていくところ。



…そう、そうなのだ。

みんなが嫌がる体育祭の種目。


“クラス対抗リレー”


ミチルくんの署名集めに奮闘していた間に、何故かあたしと明日香ちゃんはその選手に抜擢されていたのだ。

『む、無理ですっ!!!』


と、反抗したが時すでに遅し。



この運動音痴を、公開するハメになってしまった訳です。


……はい。