深想シンドローム



ぎゅっときつく袖を掴むあたしを見て、明日香ちゃんはひとつ溜め息を落とす。

そしてニコっと笑うと、いつもの優しい口調で言ってくれた。



「…わかったよ。」

みぃこがそう言うなら、と。



「明日香ちゃん…、」

「でも、これで来なかったら西くんはお仕置きだね!」

「本当だよー!ヒナたち超頑張ったのにー!」

「ヒナはただ自分のこと売ってただけじゃない。」

「あ、ちづちゃんひどーいっ!」


ちづちゃんの鋭い一言に、膨れっ面のヒナちゃん。

そんなやりとりを交わしながら、あたしたち4人は声をあげて笑った。




…ありがとう。


どんなに伝えても伝えきれないけれど

あたし、みんなに出会えてよかった。


友達になれて、本当によかった。



もし、ミチルくんが来てくれなかったとしても

4人でこうして頑張ったこと、後悔なんてしない。



だから、信じよう。

僅かにでもまだ、可能性があるのなら。


きっとミチルくんは、来てくれるって。



そう、信じて待つんだ。