深想シンドローム



重苦しい空気が、あたしたち4人を包み込む。

どこもかしこも笑い声で溢れてるのに、ここだけがどんより曇り空。



すると、そんな雰囲気を払拭するかのように

「よっし!!!」

と突然立ち上がった明日香ちゃんは、ガッツポーズしてあたしたちに言った。



「探そう、ミチルくんを!」


そう宣言する明日香ちゃんに

「えー?」

と眉をひそめたヒナちゃん。



「だって、学校には来たんでしょ?なら、校内のどっかに居るはずじゃん!」

「まぁ、そうだけど…。」


ちづちゃんは浮かない顔して明日香ちゃんを見上げる。


「んじゃ、そうとなれば早速、」

「待って!」


でも、あたしは咄嗟に明日香ちゃんの腕を掴んで引き止めた。



「待って…、」

懇願するように呟き、あたしは続ける。


「…お願いだから、このまま何もしないで…。」

「でも、」

「お願い…っ!」



ここであたしたちがミチルくんを探し出したとしても、それじゃ意味がないんだ。

これ以上、あたしたちが出来ることは何もない。


だから、ミチルくんが自分から来てくれなきゃ意味ないんだよ。