深想シンドローム



それからバイクを飛ばし、学校近くの公園に駐車して3人で走った。

当たり前だけれど
学校に着いた頃には体育祭は始まっていて。


パン!と鳴り響く空砲の中

あたしたちを待っていてくれたのか、校門の側でヒナちゃんが大きく手を振ってるのが見えた。



「みぃこ、早く早く!」

「ごめんね、遅くなっちゃった…、」

「そんなのいいから!早くしなきゃ次うちらの番だよー!」

「え!?ウソっ!」



でもあたしまだ、ミチルくんに何も説明してない…。


そう思いながら振り返ると、息切れひとつしてないミチルくんは涼しい顔して言う。


「行って来いよ。」

「で、でも…、」

「俺のことは気にすんな。」


ニッと笑うミチルくんから西くんに視線を移せば、彼も同じくニカっと笑って親指を立てた。


「あとは俺に任せといて!」

「……、」

「あ、その顔は疑ってるっしょ?」

「そ、そういう訳じゃ…。」

「こう見えて俺、約束は守る男だよ?」



確かに、西くんはこうやっていつもおちゃらけてるけど、何だかんだ言って頼りになる人だ。

それは今回の件でよくわかった。



…でも。