あたしの家族は


ママとあたしだけ


あたしは、いつもお腹を空かせていた。


いつも、体のあちこちが痛くて…
眠る時でさえ、寝返りをうつのが苦痛だった程。


「ママ……。お腹すいたょ」



「あぁ〜もぉ!うるさい!勝手に何か食べてなよ」

母は、そう言いながら
少し濃いめの化粧をしながら
鏡越に私を睨みつけた。
その顔がもの凄く恐かった。



「ママどこ行くの?」


毎晩私は同じ事を聞いていた

母は5歳のあたしを一人置いて、毎晩何処かへ出て行く。

あたしは、一人で過ごした。

寂しい気持ちと、安堵感があった。

母がいない時間は、暴力から解放されるからである。