あれから、5年後。



住宅地から走り出て来て、慌ただしくタクシーに乗り込む朔來がいた…




「早く!!春ちゃん!!初美ちゃんの赤ちゃん産まれたって連絡があったのー」


病院に向かって下さい!!と元気よく運転手に告げた。



「知ってるって、そんな焦んなよ…お前のお腹にもいるんだから。」


と春斗が優しくお腹を撫でる姿を見て、朔來は幸せな気持ちでいっぱいになった。



「初美ちゃん、女の子産んだんだよね、私も女の子がいいな…あっ!!でも男の子もいい!!春ちゃんソックリの可愛い男の子!!」



ホントは、無事に産まれてくれればどちらでもいいけど。



と小さく呟いた朔來を、愛おしむように春斗は見ていた。