泪の花。

『…泣いていた』


「泣いて…?」


『うん』


「…好きだったの?」


好き…好き…?


『好き…分かんない。好きって気持ちが、何かよく分からない。初恋って聞かれて思い浮かんだのがその男の子ってだけで…それは初恋じゃないって言うのなら、私はまだ恋を知らない。』



そう、人に恋い焦がれるなんて事は想像が出来ない。



「初美は自分の気持ちに鈍感なんだな。まぁ、そんな深く考えなくてもいいんじゃないか?って考えさせたのは俺か。」



悪いと頭をかいている…


『私…人を好きになれるかな?』



こんな質問、コイツにするのはおかしいとわかっていても、聞かずにはいられなかった。



「大丈夫。」



そう力強く言った言葉は私の心に投げかけられたようだった。



『あーお腹空いちゃった。ケーキ奢って、誕生日だし』


デート?デート?と嬉しがっている。


とことん不思議な男だ。


好きな人がいると言っていたのに…


でも、そう思ういつも胸が痛い。