「わっ・・・・・!!!」
気づくと、あたしはしりもちをついた。おしりと腰に鈍い痛みが走った。
「あっ!!!!すみません!!」
痛みに顔を歪めて立ち上がろうとすると、ぶつかってきた男があたしの肩を掴んで、軽々と立ち上がらせた。男はスーツを着ていて、大きな目が困った表情をしている。若めな見なりで、いわゆる草食系男子。
「大丈夫ですか!?」
「いった・・・・」
こけた瞬間、反射的に出した手の平をついたのだろう。親指のつけねの下から、少し出血していた。
「血・・・・・。」
「あぁ。大丈夫だから。」
あたしはジャージをはたいて、男の方を見た。男は困った顔で呟いた。
「ティッシュ・・・・。あ、
ないんだった・・・。」
「だからいいって。」
無視して、立ち去ろうとすると誰かがあたしの腕を掴んだ。びっくりして振り向くと、さっきの女がいた。高そうなバッグから絆創膏を取り出しだ。
「手かしてください。」
少し高めで透き通った声は、あたしを不快にさせた。


