…綾芽は未だに敬語と『ユキさん』が抜けないようだった。 俺の彼女としてこの家に住んでいる期間の方が、家政婦として住んでいた期間より長くなっているにもかかわらず、だ。 別に、敬語だから、『ユキさん』と呼ばれるから何かあるわけではない。 別に綾芽が敬語で話したいのなら話せばいいし、『ユキさん』と呼びたければ呼べばいい、と思っている。 思ってるけれど、綾芽をこのネタでからかうのが楽しくて、やめられそうにない。 『オシオキ』と称してキスするのも、それ以上のことをするのも。