「…ユキ、さん…?」 心配そうな声を出して俺の顔を見ようとする綾芽を、俺の方を向けないように力強く抱きしめたまま、綾芽の耳に唇をよせた。 「…とろんとした顔とかされると、ソソるね」 「…、……っな、?!」 「おやすみ。」 ちゅ、と綾芽の耳にキスをして、ぎゅっと抱きしめたまま瞼を下ろす。 綾芽は俺が離れる気がないのがわかったのか、ため息をひとつついてから俺の背中に回している手の力を少しだけ強めた。