「社長に呼ばれてきたんだけど」 「伺っております、どうぞ。」 …俺を見て完璧な笑顔を返すこの女も、俺が抱いたことがあると言ったら、…綾芽は軽蔑するんだろうな。 最低な、過去の俺を。 …そんなことがふと頭を過ぎって、心の中で苦笑した。 「…失礼します」 「ん。」 短い返事を確認してからドアを開けた先には、テレビで見せる微笑みと全く変わらない笑みを浮かべる、ボスが座っていた。