勇者と紹介された、その青年の話を真司が理解するまでにはかなり時間がかかった。
その間、優太は今の状況がうれしいらしく、紅潮した顔で二人のやり取りを聞いていた。
「つまり俺たちはこれからアンタと、アバランドで行われる継承式に参加する、と−」
「そう。勇者は大袈裟だけど、僕が皇太子の護衛として雇われ、君たちを仲間として連れていくんだよ。」
青年がチラリと優太を見ると、勘違いが恥ずかしかったのか、優太は小さく俯いてしまった。
「でも、何で俺たちが仲間だと?」
「君たちと今日、この場所で出会うことは預言されているんだ。ほら、ここに」
そう言って二人は古ぼけた紙を見せられたのだが、真司はもちろん、優太にも何が書かれてあるのかさっぱり解らない。
ただ、二人が確信したのは、どうやらここは本当にアバランドだということ。そして『アバランドの巫女』の粗筋通りに何かが動いている、ということだった。
(でも、あの本の通りだと、勇者の仲間は旅立ちの街から一緒のはず−?)
優太はふと浮かんだ疑問を口に出すべきか悩んだが、夢にまで見た本の世界に自分が降り立った喜びのほうが勝ったのだろう、すぐに笑顔になった。
その間、優太は今の状況がうれしいらしく、紅潮した顔で二人のやり取りを聞いていた。
「つまり俺たちはこれからアンタと、アバランドで行われる継承式に参加する、と−」
「そう。勇者は大袈裟だけど、僕が皇太子の護衛として雇われ、君たちを仲間として連れていくんだよ。」
青年がチラリと優太を見ると、勘違いが恥ずかしかったのか、優太は小さく俯いてしまった。
「でも、何で俺たちが仲間だと?」
「君たちと今日、この場所で出会うことは預言されているんだ。ほら、ここに」
そう言って二人は古ぼけた紙を見せられたのだが、真司はもちろん、優太にも何が書かれてあるのかさっぱり解らない。
ただ、二人が確信したのは、どうやらここは本当にアバランドだということ。そして『アバランドの巫女』の粗筋通りに何かが動いている、ということだった。
(でも、あの本の通りだと、勇者の仲間は旅立ちの街から一緒のはず−?)
優太はふと浮かんだ疑問を口に出すべきか悩んだが、夢にまで見た本の世界に自分が降り立った喜びのほうが勝ったのだろう、すぐに笑顔になった。
