−オマエ、優太だよな!?
優太と思しき人物は旅人のような服装、おまけに変な色のマントや怪しい杖まで身に着けている。


思わず面食らう真司に、『あの』優太がマシンガントークを浴びせかけた。

「シンちゃん、どうやら僕たち、アバランドにいるみたいなんだ。なんだか信じられないんだけど。」
「−しかももっと信じられないことに、僕たち勇者の一団なんだよ!ほら、これを見て−」


こんなときに何が勇者だ、このイカレ野郎が。
優太を殴ろうとして、そこで初めて真司は自分自身に驚いた。


何だ、俺のこの恰好は!?まるでよくあるRPGのコスプレのような…。

思わず殴り掛った手を止めて自分の恰好にキョロキョロしている真司の前に、笑顔を湛えた一人の青年が近づいて来た。

これまたマントを身に着けているが、明らかに体格も良く、大振りの剣を背中に携えている。

「シンちゃん、この人が勇者なんだ。アバランドを護りに来た、瑠璃の守護者。そして僕たちは…」
「もういい!その話は分かったよ!何度読んだと思ってるんだ!!」

優太の言葉を遮り大きな声で叫ぶと、真司は二人の会話をニコニコと聞いている青年に尋ねた。

「で?一体俺たちはどうなってるんだ?」