続・彼女が愛した温もり



『妊娠してるのねー』

優しそうに笑うおばさんに事務室でお茶をご馳走になっていた。

トイレで思う存分吐いてスッキリしたし、
温かいお茶が何よりが美味しい。


これは赤ちゃんが元気な証拠だと思うとホッとする。
悪阻は辛いけど。


『パパは心配してない?』


『あ‥そういや‥イトコの赤ちゃん見に行っていなかったら母にだけ伝えてきました‥』

まずい‥
杏里の赤ちゃん見に行って戻ったら
私がいない。なんてのは吃驚するかな‥

でもママに伝えたし。
まぁいいか。


『大丈夫です』
笑って言うと

『なら良かった』
と笑い返された。


けど、大丈夫なわけはなく。


♪♪♪~♪♪~

『あ‥ごめんなさい‥』

『どうぞ』
優しい笑顔に頭を下げて電話に出た。


『もしもし‥』

『カレンどこにいる?』
少し荒い息づかいからすると探してるな‥

『事務室‥』

『あぁ、事務室な‥いま行く』


やっぱ心配してたか‥。

『いまパパさん来ます』

『あら、楽しみね♪』

何だかんだで心配される自分に変な優越感を感じた。

妊娠してるから余計にだろうけど
コーキなら私が妊娠してなくても心配してくれる。


って自意識過剰か‥。

ちょっと‥
いや、結構自分に引いた。