『洋樹さん一家みたいな家庭がいいな~』
憧れ‥なんだよね。
優しい顔でいつも愛衣ちゃんを見守る洋樹さんと有紗さん。
有紗さん‥
そういや、コーキと有紗さん‥
いや、まだ聞かないでおこう。
『まさか俺が父親になるなんてな~』
『どうして?』
『俺さ、もう独り身で生きてく覚悟してたからさ。
奥さんどころか子供出来るなんて思わなかった』
少し寂しそうに見えた。
『良かったよね、美人妻に美人妻との赤ちゃん授かって』
『うん、美人妻と赤ちゃんとのおかげで独り身卒業だな』
冗談には冗談で。
美人妻とかなにより
良かったのは私自身だ。
コーキはさ、きっと私と出会わなくても素敵な人に出会える人なんだよ。
だって優しいし、カッコいいもん。
良いのかな?私が独占しても。
『パパ‥か~』
不意に呟いたコーキを見ると顔がニヤケていた。
親バカ‥既にですか。
産まれたらもう取り返しがつかなそう。
女の子でも男の子でもどっちも良いよ。
産まれてきてくれるだけで幸せだから。
何だかんだで自分も親バカは負けてはいない。

