続・彼女が愛した温もり



入学当初を思い出した。

科学担当だと挨拶した伊藤先生は自己紹介に自分の人生の事を話していた。


“はじめまして
科学担当の伊藤です。
そして入学おめでとう

挨拶代わりに少しだけ話をしよう
この世の中どうしても貧富の差がある。

自分は幼い頃に父を亡くしパートで低収入の母と年金暮らしの祖母と暮らしていた。
高校進学のために奨学金借りてこの三ノ宮学園に入って
国立大に入って教師になった。

みんなに言わせてほしいのはお金が無くても
夢は叶うという事だ。
頑張ってくれたまえ
自分の人生のために”


あの挨拶はみんなの感動を呼んだ。

何も苦労をせず楽をしようとする私を伊藤先生が嫌うのは当たり前‥

勉強‥しよう。