でも‥
授業は悲惨だった。
全くもって意味が分からない。
『新庄さん、これ答えなさい』
『分かりません‥』
くすくす‥
クラスの女子たちの笑い声が腹立たしくて悔しくて
きっと先生はわざと当ててる。
授業に出ていない事を知ってて当ててる。
『学年一位として恥ずかしくないのか。
まぁもう一位じゃないがな、ははは』
何だこれは‥
ついに先生にも嫌われたか。
学年一位だったのは昔の事。
授業を受けてないのに一位だなんて何処の天才なのよ。
『カレン大丈夫‥?』
心配して声をかけてくれる万里子に思わず泣きそうだった。
『大丈夫だよ、全然平気』
これを俗にいう強がりというのかな。
平気な訳がない。大丈夫な訳がない。
万里子に今までのノートを借りて
ちゃんと勉強する事を心に誓った。
悔しい。
帰りたい‥
コーキに抱きしめられたい。
DNAとか染色体とか
そんな勉強よりもっと大切なものってあるよね‥?
ノートの字を見つめながら
悔しさと寂しさと
何とも言えない虚しさで押しつぶされそうだった。

