『カレンー!お好み焼き出来たよ~
って、え!?
何かあった‥?』
『何でもないよ~』
万里子にはお見通し。
でも、何も聞かず手を引いてリビングへと戻る万里子の優しさに
不安が少し和らいだ
幸い涙は出ていないし
せっかく恵介にも会えた。
笑わなきゃ!
楽しまなきゃ!
友達という愛が私を奮い立たせた。
『はい。』
恵介が焼きたてのお好み焼きが入った皿を差し出した。
『誰が作ったの?』
確か、万里子って料理苦手だったはず。
もしかして‥
『恵介?』
照れくさそうに頷く姿がおかしくて万里子と笑った。
拗ねた恵介を
『これからは家庭的な男の時代だよ』とか
『料理出来るの羨ましい』
とか
万里子とからかっていた。

