『で、あんたこそ親父さんとはどうなの?』
頬杖をつき仕返しを狙う恵介から目をそらし
『全然‥』
一言で全て片付けた。
唯さんが入院でパパと二人きりの家に
会話も何もない。
そして先に逃げ出したのはあっち。
簡単に荷物をまとめてパパは近くのホテルに滞在している。
広い家に独りきりはさすがに嫌で
今日は万里子と恵介を招いた。
♪♪♪~♪~
カーディガンのポケットから携帯の音が響いた。
画面を見ると知らない番号。
リビングから出て玄関付近で電話に出ると
『もしもし?』
『こんばんは、元気?』
『舞花さん‥』
高い声が耳に響き寒気と同時に
何ともいえない不安が巡った。

