『パパだって何も知らないくせに‥
父親に嫌われる娘の気持ち知らないくせに‥』
閉まったドアに呟いた嫌みに似た言葉は儚く消えた。
『カレン、婚姻届は書こう
ただ出すのは親心に気づいてからだな。
しばらく実家に帰って親父さんと向き合ってみたらどうだ?』
『どうして‥?
私を見捨てるの?』
嫌だ、あんな家に帰るなんて。
『そうじゃない
俺だってカレンが側にいないのは寂しいんだ
でも、このままじゃダメだ。
わかってくれよ、な?』
コーキが切実に私の頭を撫でて言うものだから
嫌だと言えなかった。
確かに、このままじゃダメか…
でも、
『その変わり今日は熱く激しく抱いてくれる?』
次第に頬が赤くなるコーキが可笑しくて笑ってしまった。
でも、
『男の本能なめんなよ?
一晩寝かせないぐらいの力有り余ってるからな』
なんて言うから
なんだか期待してしまう自分に一番笑ってしまった。

