「おー、行っちゃった。行っちゃった。二度と来んなよほほほ」
何やらよく分からない捨て台詞のような物を残してクソガキは去って行った。
それをふざけた口調で見送った金髪は、実に楽しそうだ。
ぶっちゃけ、クソガキの末路にも金髪の反応にも興味はない。──ので、アタシはクソガキが場を離れ始めたと同時に、いまだに散乱しているお婆ちゃんの荷物に駆け寄った。
「あや? あざしゃーん?」
背後から金髪の声が聞こえる気がするけど無視。
それよりも荷物よ。
「はい、お婆ちゃん」
「ありがとう、お嬢ちゃん。でもね、あんまり無茶しちゃいけないよ」
「……ごめんなさい」
うう…、怒られた。
でもね、だって腹が立ったんだもん。
「おう? このバアちゃん誰?」
と、若干反省してたアタシの背後から金髪の声。
あまり答える気はないから、ちょっと黙る。ていうか訊いてくんな。
「僕ちゃんもありがとうね」
「う、うぃ? おー、うん。どういたまして」
荷物を全て集め終わったお婆ちゃんは立ち上がると、可愛い笑顔で金髪に頭を下げた。
よく分かってない表情で礼を受けた金髪は、ニャハハと笑顔を作ってお婆ちゃんに応える。
……って、僕ちゃん?
問題の発言をしたお婆ちゃんは笑顔のまま、ゆっくりした動作で駅の雑踏の中に進み出す。
「バアちゃん大変そうだなー。荷物持ってやろうかー?」
「大丈夫だよ、ありがとうね」
「気を付けてね。お婆ちゃん」
隣に立った金髪の、思いもよらない台詞にちょっと驚きつつ、お婆ちゃんに声をかけると、小さくお辞儀を返してくれた。
そのままお婆ちゃんは雑踏の中に消えていってしまった。
こっからは何もないといいけど……。
とか思ってたら、頭上から声。
「なんか可愛いバアちゃんだったな。荷物、落としたりしなきゃいいけど」
「……」
お婆ちゃんが去っていった方を見つめながら、金髪はフッ、と笑った。
何やらよく分からない捨て台詞のような物を残してクソガキは去って行った。
それをふざけた口調で見送った金髪は、実に楽しそうだ。
ぶっちゃけ、クソガキの末路にも金髪の反応にも興味はない。──ので、アタシはクソガキが場を離れ始めたと同時に、いまだに散乱しているお婆ちゃんの荷物に駆け寄った。
「あや? あざしゃーん?」
背後から金髪の声が聞こえる気がするけど無視。
それよりも荷物よ。
「はい、お婆ちゃん」
「ありがとう、お嬢ちゃん。でもね、あんまり無茶しちゃいけないよ」
「……ごめんなさい」
うう…、怒られた。
でもね、だって腹が立ったんだもん。
「おう? このバアちゃん誰?」
と、若干反省してたアタシの背後から金髪の声。
あまり答える気はないから、ちょっと黙る。ていうか訊いてくんな。
「僕ちゃんもありがとうね」
「う、うぃ? おー、うん。どういたまして」
荷物を全て集め終わったお婆ちゃんは立ち上がると、可愛い笑顔で金髪に頭を下げた。
よく分かってない表情で礼を受けた金髪は、ニャハハと笑顔を作ってお婆ちゃんに応える。
……って、僕ちゃん?
問題の発言をしたお婆ちゃんは笑顔のまま、ゆっくりした動作で駅の雑踏の中に進み出す。
「バアちゃん大変そうだなー。荷物持ってやろうかー?」
「大丈夫だよ、ありがとうね」
「気を付けてね。お婆ちゃん」
隣に立った金髪の、思いもよらない台詞にちょっと驚きつつ、お婆ちゃんに声をかけると、小さくお辞儀を返してくれた。
そのままお婆ちゃんは雑踏の中に消えていってしまった。
こっからは何もないといいけど……。
とか思ってたら、頭上から声。
「なんか可愛いバアちゃんだったな。荷物、落としたりしなきゃいいけど」
「……」
お婆ちゃんが去っていった方を見つめながら、金髪はフッ、と笑った。
