野良ライオンと文系女の猛獣使い

「あー……、じゃああざちゃんってさ」


と、こちらの決定を読んだかのように、急に金髪が言いにくそうに口を開く。

「何?」と私。「いやさ」と金髪が続けて、


「もしかして、あざちゃんって…………百合?」


………………はい?


「はあぁぁぁぁぁあああ!!?」


ちょっ、いきなり何言ってるのよコイツは!
それ、どういう意味かわかって言ってるんでしょうね!?


「いや、だってよ。友達にしちゃ過保護過ぎるからよー、『アタシの加奈子に手を出すな!』みたいなー。だからさ、あざちゃんはそっち系?」

「んなっ……わけないでしょうが!!」

「いや、そんなムキにならんでも。必死になりすぎると反って怪しいぞ?うひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

「……っ」


ペースに巻き込まれそうになって、歯噛みする。
そうだ、こんなにムキになったら余計にからかわれる。
……からかわれてたのよね?まさか本気で言ってるんじゃ?


「え、割りと本気で訊いてんだけど?どうなん」

「……さっきの反応でわかるでしょ」

「ノーマルってことでFA?」

「……FA」


疲れたように──っていうかホントに疲れたんだけど──吐き出して、肩を落とす。
他人から見ると、私の態度はそう見えるのか。なんか複雑だ。
この金髪が曲解してるだけかも知れないけど。