Infinity blood ~孤高の吸血鬼は蒼い月夜に踊る~


『ブラ……ド』


深淵の闇から何本も何本も闇色の半透明の手が伸びてきて
それはディーノの足や手、身体に絡みつくようにまとわりつき
闇の中へと引きずり始める。


『ブラ……ッド……』


闇を見てはならない。
声を聞いてはならない。

破滅が音を立てて近寄ってくるのを
必死になってディーノは抵抗した。

けれど、想像以上に手の数は多く
その力を強く
抗っても、もがいても
執拗にディーノを捉え
闇の中へと引きずっていく。


「や……め……」


息をするのも苦しくなり始めるほど
覆う手の数は多くなり
やがて抵抗する力すら
ディーノから奪って行く。


『イン……ブラ……我に……』


心の中に冷たい雫が落ちる。

強烈な焼けつく痛みに
ディーノは叫び声をあげていた。

首を振り
のたうちまわるかのように――