Infinity blood ~孤高の吸血鬼は蒼い月夜に踊る~


闇夜に光る無数の光。

その光は皆火のように赤く燃え
血色に輝いていた。


無数の影はファルスの身体を取り囲むように飛びまわり
月の光がそれらを照らし出す。


何百という蝙蝠達がファルスを覆うように取り囲み
ファルスの姿は蝙蝠の集団の中に消え去る。


その瞬間、蝙蝠の殻を破るように二枚に大きな黒い羽が
バサリと大きな音を立て
腕を伸ばすように広がった。


闇よりも深い黒の翼を羽織るように纏うファルスは
獣を蔑むように見据えると一気に詰め寄った。


獣はその速さに一瞬ファルスの姿を見失い
戸惑ったように左右に首を動かした。


瞬間、獣の背後に黒い戦慄が走り
それは容赦なく獣の首を絞め上げた。


「ぐ……ぎゃ……」


牛の顔をした獣は鼻息を荒くしながら
飛びだした瞳をギョロリと動かし
背後から首を絞め上げるファルスの姿を捉えようともがいた。


「私はディーノ様のように優しくありませんので」


垂れ落ちる白濁色の涎の酸が濃度を増し
ファルスの白い手袋を焼き落とした。