「元に戻すことも叶わぬ魂。
見捨てられた心をおまえだったらどうしてやりたい?」
ディーノは言いながら
両手で拳銃の形を作りながら
その照準をファルスに定めた。
「慈悲をお与えになりますか?」
身じろぎひとつせず、そう控える執事にディーノは構えの姿勢をとったままクツクツと喉を鳴らして見せた。
「そんなに優しくないってことは、おまえが一番知っているだろうに」
「ダンスの練習にでもなさいますか?」
ファルスの言葉にディーノは艶やかな笑みを返して見せた。
「それがよかろうよ」
bang!!
ファルスに向かってディーノは拳銃を撃って見せた。
ファルスの束ねた黒髪が解け、長い艶やかな黒髪が肩に落ちた。
「戯れすぎませぬよう、今後の夜は私もお傍に」
「頼もしいな」
ほほ笑む主人に、うっすらとだが執事ファルスは笑みを返す。
頂点へと昇りつめようとしていた太陽が
低いうなり声を上げるのを聞きながら
二人はただほほ笑み合っていたのだった。



