Infinity blood ~孤高の吸血鬼は蒼い月夜に踊る~


獅子の顔を持つ魔物はディーノを見据え
低いうなり声を上げた。

地の底から湧きあがるような低いその唸り声に
ガタガタと窓ガラスが音を立て
ミシリ、ミシリと小さく亀裂が走っていく。


「ブラッド……ブラーッド!!」


斬り落とされた手首を地につけて
魔物は四足歩行に戻り
ディーノめがけて突進してきた。

赤い双眸には怒りと欲望が渦巻き
ドロドロとした闇が広がっていた。

その先にディーノはリザネロの姿を見つけ
チッと舌打ちをした。


「我が前に立つなど」


レディの剣先を床にこするようにして
ディーノは突進してくる魔物に向かう。

床を滑るレディから
その剣先から
バチバチと小さな火花が上がる。


猛る唸り声をあげ
魔物がディーノに飛びかかる。


その瞬間、ディーノは駆ける足を止め
キュッとその場に立ち止まる。


「まだおまえには早すぎる」


電流を帯びたレディーを振り上げ
覆いかぶさってくる魔物よりも一瞬早く、高くディーノは宙へと逃れる。