深紅に燃える刀身はガチガチとその刃を鳴らし
目の前の獲物を捕えていた。
「ブラッドよこせー!!」
獅子の赤黒い瞳が大きく見開かれ
風が大きな怒声を上げる。
振りかぶった獅子の腕が執拗にディーノを狙い
そのたびに壁や床をえぐり取った。
木製の壁や床はバキリ、バキリと音を立て
真っ二つに裂けては木片を飛び散らせる。
粉塵を上げる室内を
くるくる弧を描くようにしながら宙を舞い
壁を蹴り歩きながらディーノは
優雅に獅子の背後へと回る。
「おまえのダンスは品がない」
獅子の口から飛び散る白濁色の唾液をひらりひらりとかわす。
「その腕は無用」
スパンッと音もなく獣の腕が斬り落とされ
それはゴトリと重い音を立て床へと転がる。
「もう片方も同様」
同じようにまたゴトリと床に転がる腕からは
血の跡さえもない。
絶叫が響き渡り
空気がビリビリと裂けるような音を立てる。
斬り落とされた腕からは
白い細い煙が幾筋もあがっていた。



