Infinity blood ~孤高の吸血鬼は蒼い月夜に踊る~


「年代物のお気に入りの家具たちだったのにねぇ」


目の前にそびえるように立つ輩を見据えて
ディーノは一人ぼやくように言い放った。


「これは少々どころの仕置きじゃ済まないよ」


ディーノの足元にボトリと白濁色の液体が大きな水溜りを作った。

重く、粘着質のそれが
一つ、また一つと
落ちてくるのをディーノは軽く躍るようにステップを刻んでかわした。


「ブラッド……奪う。
ブラッド……持ち帰る。
それ……使命」


見上げるほどに高い身の丈。
そこに坐する頭は獅子。
しかしその頭を繋ぐ身体は獅子ではなく
威嚇して立ち上がる熊そのものだった。


「獣風情が……」


ブンッと相手の太い腕が宙を掠めディーノを狙う。

皮一枚のところでディーノはかわし
くるりと地に降り立った。


ヒリッとした痛みが頬に走り
ディーノは舌打ちをした。


「ダンスするなら夜の方が燃えるんだがねぇ」


そう言うとまた顎の下でレディを構え
刀身に刻まれた文字たちをなぞる様に撫でていく。