Infinity blood ~孤高の吸血鬼は蒼い月夜に踊る~


「昼じゃ分が悪すぎるんだが」


そう言うとディーノは立ち上がり
レディにそっと口づけをしながら
揺れる影に剣先を向けながら
顎の下に添えるようにして構えた。


「踊りたいというのなら相手をしてあげようか?」


盾にしていた机を影に向かって蹴りあげる。

ディーノに蹴飛ばされた机は
床を滑るように走り影に激突する。


「ファルス!!」


呼び声に黒装束の執事は脇を走るようにして現れ
黙したまま小さく頭を下げると
横で震えるシュレーヌを抱き抱えた。


「あまり派手に踊りませぬように」


ファルスの台詞にディーノは苦笑した。


「ま、じゃじゃ馬でないことを祈ってくれ」


軽い口調で返す主人にファルスはもう一度小さく頭を下げると
シュレーヌを抱えたまま、白い煙に紛れるように姿を消した。


ファルスの気配がなくなる頃
白い霧が徐々に晴れてくる。


引き裂かれたカーテンと
無様に転がり壊れた家具たち。

それを一瞥しディーノはため息を吐いた。