絹糸のような髪だと
目の前に座る人間を見て
最初に思ったことがそれだった。


人形のように細い四肢。


優雅にかつしなやかな動作に
ディーノは久しぶりに心が躍っていた。


金糸の髪は緩くウェーブがかかり
頬はバラ色に染まり
小さな唇は熟れたリンゴのように赤く燃えていた。


「それで?」


ディーノは深くソファに腰を下ろしながら
その人物を興味深く眺めていた。


人間であることが不思議なほど――


その人物は麗しく
見ている者を魅了する力に溢れていた。


「貴方に兄を止めていただきたいのです」


そう言って、少女は瞳を開いた。
深い緑の瞳に星が煌めく。


「兄……ねぇ……」