Infinity blood ~孤高の吸血鬼は蒼い月夜に踊る~


ディーノはレディの震える刃をそっと撫でる。

長い指先は
まるで艶めかしい(なまめかしい)愛撫のように
その表面をなぞっていく。

それに呼応するように
レディは声を上げる。


「無念の死を遂げた、これが同士の叫びかな」


ディーノはそう言って、ファルスを見た。

ファルスの顔は相変わらず
仮面でも付けているかのように
何一つ動じることなく
同じ表情のままだった。


「レディ・クライムは……一族の牙であられますから」


ファルスはじっとディーノを見つめ
呟くように答えた。

ディーノは小さくため息をつくと


「死が死を呼ぶ。

この身体に流れる血は……
災い以外の何者でもないかもしれないな」


静かに漏れ出た言葉に
しかしはっきりとファルスは言い返した。


「今の私はその血によって生かされております。

間違ってもそのようなこと、思われませぬよう」


強い否定の力を宿した瞳に
ディーノは赤い唇を嬉しそうに綻ばせて見せた。