「ありがとう」


嬉しかった。


そう言ってくれて。



「ってかいつまで本見てるの」


笑顔でお礼を言うと、照れたのか視線を逸らして本を指差す岡本さん。



「ハマっちゃって……」



さっきから岡本さんと会話をしつつも見ていたこの写真集。



同じ場所で同じ時間帯に撮った景色でも、撮った人物が違えば全く違う景色に見える。



その写真についハマる。


「……返した方が良い?」



岡本さんも早く見たいだろう。



だけど岡本さんは、答えずただベットの上を移動して


僕の横ギリギリにまでやってきた。


バランスを崩せば落ちてしまいそうで、怖い。


「……あたしも一緒に見る」


本へと視線を移す岡本さんの横顔を見ながら、正面%