こうしてめでたく両想いになれた僕達だったけれど。



ぐっすり眠った後病院へ戻ればニヤニヤした清水先生に報告を求められるし、



岡本さんは岡本さんで僕がケジメを付けて“医者”で接しているにも関わらずからかって仕掛けてくるし。



大変と言えば大変だった。



退院まで仕掛けられた分、これから僕が思いっきり仕掛けてあげようと思う。




……そして何と言っても一番は傷と向き合ってくれた事。



勇気がいったはずなのに、割と冷静に傷を見つめていた。




……全然綺麗だよ。




担当だとも認めてくれたし。



僕にとっては研修医時代からの密かな目標、思いが達成された。



清水先生は、いつかは僕に担当が変わると覚悟していたけれど



直接岡本さんが僕を指名したのがショックだったらしく




『僕の心ちゃんから高橋君の心ちゃんになるんだね……』




と寂しそうに呟いてた。