不思議だ……。



目の前に並べられた料理を見て思う。



綺麗に盛り付けられたステーキには、丁寧に人参の甘辛煮まで付いてる。




スープも野菜が沢山入れられてバランスも良さそう。



数十分前。



パズルに集中していると夕食の時間を聞いてきた岡本さん。



そろそろ作り始めようと動き出した僕を制して岡本さんが言ったんだ。



『……あたしが作る』


と。



僕にパズル制作を任せてキッチンへと立った。



てっきり料理が出来ないと思っていた僕は心配していたけれど……。



見事に手際良く作ってくれて、こうして綺麗に並んでる。




「……何よ」



まじまじと料理を見つめて手を付けない僕を向かい側に座り不機嫌に見てくる。




「いえ、何も……いただきます」

「いただきまーす!」




ゆっくりとスープを持つ岡本さんを見ながら、ステーキを口に運んだ。