ガサガサ言う袋の音がかなり煩い。


もう少し丁寧に開けてくれたら良いのに。



電源を入れると、次々にセンターの方からメールが流れ込んでくる。



……殆どが聖からだけど。



どれも同じような内容だろう、と何通か見た所で選択削除に切り替えて削除した。




「……で、抜け出してた?心チャン」


「うん。写真展に行ってた」


「やっぱり!で?迎えに行ったんだ先生は」



先生って所を強調する聖。



笑っているけれど、あの日も、今日までの事も思い出せば全然笑えない。



「行った。で、連れて帰ろうとしたら逃げられて、また捕まえて。
写真展見たら大人しく帰ってもらおうって思って見て」


この時に、写真展によらずに帰れば良かったんだ。



そして早く検査しとけば……早め早めに処置できていたかもしれないのに。



「病院に帰った途端、発作起こして……そこから緊急手術」



聖の顔から笑みが消えて、動きも止まった。



「……手術したんだ。だから帰ってこなかったのか」



うん、と言いながら、後ろの壁に背中を預ける。